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学術会議任命拒否

日本学術会議が推薦した新会員候補6人を菅首相(当時)が任命しませんでした。異例の事態の背景や問題点を追います。

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官邸、前学術会議会長を門前払い 選出根拠の説明要望に「会う必要ない」

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日本学術会議=東京都港区で、岩崎歩撮影
日本学術会議=東京都港区で、岩崎歩撮影

 日本学術会議が推薦した会員候補6人を菅義偉首相が任命しなかった問題で、2018年の補充人事でも、学術会議が事前報告した候補者に官邸側が難色を示していたことが関係者への取材で判明した。官邸は理由を明かさず、学術会議は当時の山極寿一会長が直接、候補選出の根拠を説明したいと約1年にわたって再三申し入れたが、拒まれ続けたという。最終的に補充を見送った。

 16年の補充人事でも、官邸が学術会議に事前報告を求め2ポストの差し替えを要求したため、学術会議は補充を断念していた。

 学術会議関係者によると、会員が70歳の定年を迎えた人文・社会科学系の1ポストを補充するため、18年夏から推薦候補の選考を始めた。選考委員会では「正式に推薦が決まるまで報告すべきでない」という意見も出たが、18年10月の学術会議の総会を前に、推薦予定の第1候補に加え、第2候補も官邸に伝えた。

 ところが、官邸は第1候補について理由を説明しないまま「ふさわしくない」と難色を示した。学術会議幹部の間で「理由もなく変更には応じられない」という方針が決まり、山極氏は選んだ理由を自ら説明したいと官邸に申し入れた。だが…

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